膵臓がん:膵臓がんに対する個別化mRNAワクチン
免疫療法
コロナで有名になったmRNAワクチン。
今回、膵臓癌に対する臨床治験の結果がNature誌に発表されました。
膵管腺がん患者16人に対するアジュバント療法として、autogene cevumeran(個別化mRNAワクチンの一種)を投与し、化学療法と免疫療法を併用しました。
結果:
患者の50%で、強いT細胞応答が観察され、このワクチンが免疫応答を誘導することが示されました。18カ月間の経過観察の後も、患者において強い免疫応答が観察されたことと、再発するまでの期間が延長したことがわかりました。
mRNAワクチンは、樹状細胞に取り込まれ、リンパ節でキラーT細胞を活性化して効果を発揮するメカニズムはコロナワクチンと同じです。
樹状細胞は、私たちの免疫療法でも中心的な役割をはたしてます。将来は、樹状細胞ではなく、mRNAの投与によるワクチン治療へと進化する可能性もあります。今後を期待しています。
プレシジョンクリニック名古屋院長
岡崎監修